フォロウィング
ジェレミー・セオボルド
―――作家志望のビルは、創作のヒントを得るため、通りすがりの人々の跡をつける行為を繰り返していた。ある日、いつものように男の跡をつけていたところ、尾行していることがその男、コッブにばれてしまう。だが、コッブもまた、他人の私生活を覗き見てスリルを得るために、留守宅への侵入を繰り返していたのだ。家宅侵入のコツを教わり、創造意欲を刺激されたビルは、コッブの自信に満ちた行動に感化されてゆく。そして、数日後、ビルはコッブと2人で侵入したアパートで見た写真の女に興味を抱き、彼女の跡をつけ始める。しかし、その日を境に彼は思わぬ事件に巻き込まれていく―――Amazon様より
おもしれえ。
この作品でのデビューのあと、本作を作ったクリストファー・ノーラン監督は、出世作『
メメント』を送り出して喝采をあびることになるのですが。
メメントと同じく、というかメメント以上に時間軸を複雑に入れ替えて作られた本作。
メメントと決定的に違うのは、ストーリー上、時間軸を入れ替えて見せる必然性はまるでなく、あくまで演出の一つとして時間軸の入れ替えが行われていること。
見てる最中何度も、
「
なんで、わざわざこんなにみずらくしてんだ!」
と思ったよ。
思ったけどさ。
だからといって、
時間軸順に並べ直したヤツを見たいかと言ったらそうでもない。(←一応、DVDではオマケとして収録されている)
なんというか、みやすさではメメントの方が上なんだが、シーンごとの印象の強さではこっちの方が上回っている。
そりゃもう、「こう見せたらビックリするだろう?」とニヤつく監督が目に浮かぶようだ。
ストーリー自体は、ちゃんと見せられたら割とあぶなっかしい、ちょろめのハナシだと思う。誰の行動も、よく見れば行き当たりばったりな所もあるし・・・
ただ、原因と結果がまとめて出てこない所為か、なぜか見てる間にはそう見えてこない。
原因なのか結果なのかもわからないシークエンスに、ただただ翻弄されているのがなんとも気持ちいい。
しかし逆に、すべての結果が合わさって見えるラストになると、その気持ちよさが突如ほぐれてしまう。
ほぐれてみると・・・パズルが組み合わさった時に出来た絵が、決して悪くはないがインパクトにかけるというか・・・いいけど、こう作ったんならどうよ?っていうか・・・ゴニョゴニョ
なんとなーく、そこが残念に思うのは俺だけだろうか。
まぁ、サスペンスで落ち言わないわけにいかないしなぁ・・・この手法は、いっそもうちょい怪しげなホラーでやっても面白いんじゃないか。落ちの無いタイプ・・・って、向こうの人はそういうの苦手そうだしなぁ。